UXライティングとは何か?

公開: 2020/12/16   更新: 2020/12/22

2019年の夏からUXライティングに取り組んできた。現時点での理解を晒しておく。

UXライティングとは何か? #

UXライティングはユーザーがソフトウェアを利用する時に見聞きする言葉のデザインである。よって、その対象は以下となる。

  • UIのコピー
    • 機能の説明テキスト
    • ボタンのテキスト
    • ボタン周辺のテキスト
    • ナビゲーションのテキスト
    • 注意喚起メッセージ
    • エラーメッセージ
  • ヘルプ記事
  • 機能操作後の配信メール
  • プロダクトアップデートのお知らせ

ソフトウェアを使っていて「なんてわかりにくい説明なんだろう」と感じた経験は誰にでもあるだろう。ソフトウェアの提供者に非はなく、法律や仕様の制約があるため内容は正しいのに理解しづらいコピーになってしまうのだ。

この問題を解決するのがUXライティングだ。一語一句に手間ひまかけて言葉の力でプロダクトを使いやすくすることがUXライターの責務となる。

UXライティングに必要なこと #

UXライティング、つまり言葉のデザインをするために一番必要なのは顧客に関する知識だ。

  • 顧客は誰なのか
  • 顧客はなぜプロダクトを使うのか
  • 顧客はどのようなシーンでプロダクトを使うのか

これらを解像度高く理解できていれば、適切なコピーにたどり着ける。逆に解像度が低ければ、不明瞭なコピーが生まれてしまう。

現在の会社に転職する際、選考課題として「弊社プロダクトの〇〇の機能のヘルプ記事を作成せよ」という課題が出された。かんたんな機能なので記事は書けるものの、ユースケースがわからないのでメリハリのない記事になってしまった。

機能や仕様を把握していても、顧客を知らなければ明快なコピーは作成できないのだ。

UXライターと開発フロー #

最後に、UXライターはチームメンバーとどのように協業すべきか触れておきたい。プロダクト開発の一連の流れに、どのように入り込めばいいか。

理想は、開発チームの一員としてプロジェクトに参加することだ。プロジェクトのキックオフから参加し、可能ならデイリー・ウィークリーのミーティングにも参加したい。

こまめに会話を重ね、機能や画面と同時並行でコピーも作成しプロトタイプを作る。それを顧客に提示してフィードバックを受け、機能・画面・コピーをブラッシュアップする。そうやって価値ある機能を最速でリリースしたい。

定期ミーティングに参加すると多少の無駄は生じるだろうが、それは必要なゆとり(Slack)だと言える。途中から参加するよりもチーム全体の手戻りが減り、工数を抑えられるはずだ。

まとめ #

記事を書いて改めて理解できたが、UXライティングで大切なことはテクニックではなく顧客を知ることだ。どのような職種であっても、すべては顧客と顧客の課題を知ることから始まる。UXライターにとってもそれは変わらないのだ。

私はUXライターとして、顧客を知り一語一句に魂を注ぎ込むことでプロダクトのクオリティを高めていきたい。それが、顧客の成功・事業の成長につながると信じている。